産業上の「プラットフォーム」構築への思い ~GAFAMに負けるな~

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 今、世界は、情報とデジタル、つまりITのプラットフォームによってあらゆることが一体化しつつとり行われるようになり、同時にビジネス上の新たな階層化が進んでいます。

 この業界においては、現在、殆どのビジネスがGAFAM(中国ではBATH)の掌上で行われており、私たちが頑張れば頑張るだけ利益をこれら巨大企業に上納している形です。今後、AIや量子コンピュータの大波が来る際においても、今の状況から想像されるのは、論文・特許数や投資の状況から既に大枠の勝負はついており米中両国がビジネスの覇権を取りつづけるようなイメージしかありません。(…最近は米中ですらこれら巨大企業の独占を懸念しているようですが)

 さらに、これまで日本の産業をけん引してきた自動車関連産業においても、欧州諸国を中心とした動きからEVプラットフォームへの流れが決定的となり、日本は大きく出遅れる状況となっています。

 このままでは、日本は、階層構造の下層領域でしかビジネスができず、そのため個人主義にならざるを得ません。「個人で稼げる時代になった」とよく耳にします。確かに個人レベルで小さな会社規模の売上利益を出している人も大勢おられますが、殆どの場合、海外のプラットフォームを利用してのことですので、日本の国力アップにはなり得ないばかりか、さらなる国力低下の方向性にあると思います。

 これから日本はどうしていけばいいのでしょうか?

 今後もITは進展し続け、すべてのビジネスにおいて重要性を増すと思われます。まずは、GAFAMに匹敵するような、ITやAIのビジネスプラットフォームを生み育てるべく国を挙げて取組んでいくことが重要だと思われます。この分野は、瞬発力があってフットワークも軽い若い方々の力に期待したいと思います。

 一方で、モノ作り産業の重要性は変わらないと思われます。GAFAMのような企業は、バーチャルな価値を提供することで存在感を示していますが、その対極には、私たちが物理的な存在である以上必須となる現実社会に根付いたモノ(材料、部品)、技術、サービス等の価値というニーズが必ずあります。この分野においては日本がこれまで素材から部品、製品に至るまでの強力なプラットフォームを構築してきた実績があります。しかし、この分野においても常に新たな技術にアップデートしていく必要があります。私たちはこの分野を軽視せず、今後も益々強くしていく必要があり、常にプラットフォームを意識してビジネスを創っていくこと、つまり、世界に売れるモノ作りが大切だと思います。

 「ムーンショット計画」というのを国が進めていますが、これは従来の価値観や概念にとらわれない新たな発想でイノベーションを実現しようというものです。このような考えは本当に大切で、ビジネス創生に関わる人は、研究開発者でも起業家でも投資家でも、このことを強く念頭に置いておく必要があろうかと思います。

 さて、私たち誠報堂MTですが、GAFAMとは分野も違うし、あまりにも規模も小さい存在ですが、モノづくり産業上のプラットフォームづくりが目標です。小さいけれども、世界で必要とされるようなビジネスが出来ればと考えています。

 現状まだニッチで小さい状況ではありますが世界で使われる一つのプラットフォームたり得るよう努力したいと考えています。